世界のキャロム・日本のカロム


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世界のキャロム (文責:石川 久 さん)

 

全インドキャロム連盟(AICF)の見解によると、具体的な証拠がないとのことですが、キャロムは、18世紀にインドのマハーラージャによって考案されたという認識で、第一次世界大戦後に人気が高まり、現在では、インドだけで約2,000万人が、世界50か国以上でプレイされているそうです。インドを筆頭に、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、ネパール、スリランカといったアジア諸国で特に人気を誇っています。

 

全インドキャロム連盟(AICF)、全英キャロム連盟(UKCF)、全米キャロム協会(USCA)、キャロムカナダ(CC)、パキスタンキャロム連盟(PCF)、スリランカキャロム連盟(SCF)、フランスキャロム連盟(CFF)、ドイツキャロム連盟(DCV)、イタリアキャロム連盟(FIC)、ポーランドキャロム協会(PCA)、スイスキャロム協会(SCA)、スウェーデンキャロム連盟(SCF)、チェコキャロム協会(CCA)、モルディブキャロム協会(CAM)、韓国キャロム連盟(KCF)、日本キャロム連盟(JCF)が組織されており、国際キャロム連盟(ICF)に所属しています。

ほぼ4年おきに世界選手権大会やワールドカップが行われています。

 

 

ボードタイプから、以下の4つの系統に分類できます。

 

 ・インド系:

 アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパと広く分布。ポケットは真円で小さく、ボードサイズはさまざま。

 インドには製造メーカーが20社以上あり、世界各国へ輸出している。

 全インドキャロム連盟(AICF)では、競技用ルールを制定し、ボードのサイズやデサインに関しても細かく規定している。

 重さ15gのストライカーを強く弾いて、ボードを少なくとも3回半は往復しなければならない。

 マレーシアのキャロムボードのポケットは、「アウト・ポケット」と言って、フレーム側に突き出しているのが特徴。

 日本では1987年に花菱工業から「ファミリーヤード」、パラダイスから「フリップ」、2007年にはアーネストが「クランプボール」の商品名で輸入販売されている。

 

・アメリカ系:

 1889年創立のキャロム・カンパニーの製品を中心に、ボード中央にはチェッカーボードが描かれたり、いくつか他のボードゲームにも対応したマルチボードゲームになっており、ポケットサイズがインドに比べて少し大きいのが特徴。

 日本では大正から昭和にかけて、ミズノ、ハナヤマ、エポック社がこのタイプを模倣して商品化されており、1957年から2007年頃まで、南極観測隊員にプレイされている。 

 

・カナダ系:

  「ピシュノット」とはカナダ系のフランス語で「おはじき」という意味で、ポケットサイズがアメリカのボードよりもさらに大きく、パックを円状に初期配置するのが特徴。1850年代頃には登場していた。

 彦根のカロムや岩手の投球盤、学研のおはじきカロムは、この系統に属する。

 

・欧州系:

 ビリヤードのようにキュースティックを使用するタイプで、ラトビアには、1925年から1927年頃にイギリスから伝播しており、その後、国技となっている。

 デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドといった北欧諸国、ドイツ、ポーランド、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアといった東欧諸国に伝播している。

 1940年代には中国でも流行している。アメリカやカナダでもキュースティックを使用して遊ぶ人たちがいる。 

 

さて、これほどまでに地球規模で普及しているボードゲームが果たして他にあるでしょうか?

キャロムは最大級にメジャーでありながら、知らない人にはまったく認知されていないマイナーな存在でもあるのです。 

 

 

 

インドのムンバイにあるキャロム製造会社

 

M.K.キャロムボード製作所(M.K. Carrom Board Mfg)


日本のカロム (文責:杉原正樹さん)

 

カロムは四隅にポケット(穴)がある正方形の盤上で、扁平な円筒形の玉を指で弾きながら行うビリヤードに似たボードゲームである。

キャロム、カランボ、カロン、康楽球(カーロンチュー)など名称やルールは少しずつ異なるが、ボードの形状や遊び方は似ていて地球上の様々な国でカロムは存在している。

 

日本のカロムについては、3種類の系統があることが判っている。

ひとつは、日本の登山家が日本に持ち帰り遊んだチベットやネパールなどインド亜大陸のカロムである。ポケットは円形で、彦根のカロムに馴染んでいる者にとっては、随分と小さく感じるに違いない。

現在、世界選手権大会の公式ボードの基本デザインは、これらインド亜大陸のカロムボードのデザインが基本になっている。

世界選手権公認ボードは、約74センチ四方で四隅に直径4・45センチの円形のポケットがある。

 

次に、盤面にチェックの模様が描かれているカロムである。

このカロムは商社やメーカーが海外から輸入し、日本に紹介したものだ。

「美津濃」(現 美津濃株式会社)発行の大正6年(1917)のパンフレットに「ホッケット玉ハジキ」という名前で掲載されている。 

実は、日本全国に普及し遊ばれたカロムとは、このチェックの模様がある系統のカロムなのである。

このチェックの模様のカロム盤は、何種類かのゲームを楽しむことができる複合ゲーム盤として普及し、現在でも同じようなボードゲームがアメリカ、日本で販売されている。

昭和30年代には東京のデパートで購入することができ、かつて南極観測のレクレーションにも採用されている。

 

そして、彦根で100年以上遊び継がれたカロムである。

登山家が持ち帰ったカロムやチェックの模様のあるカロムとはルールも盤の雰囲気も大きく異なっている。

自家製の彦根のカロム盤には、裏面に所有者や制作年月日の墨書が残っているものがある。

大正から昭和初期にかけての記載が多く、現在見つかっている最も古い墨書は「大正二年」、更に「一円十銭」と購入代金も記されている。

日本では、ライフスタイルの変化と共に、カロムは徐々に姿を消していくが、彦根では正月や地蔵盆などには必ず登場し、ビー玉やメンコと同じように普段の暮らしの中で遊び継がれていった。

そして、「かつて全国で遊ばれていたゲームならば、彦根のチャンピオンは日本のチャンピオンだ」と始まったのが、「第1回カロム日本選手権大会」(1988年8月28日・社団法人彦根青年会議所主催)である。

 


岩手県の投球盤(闘球盤)

 

彦根やいわきのカロムと違い、玉がドーナツ形という特徴があり、穴に指を入れて弾くこともできます。


盛岡の手沢製作所さんで作られていた闘球盤

残念ながら今は廃番になっています。

サイズは 71cm×71cm。

パックは赤緑各10個。
バックギャモンのマス目(山形ポイント)が盤面にデザインされています。

花巻の千田木工所さんで作られている投球盤
岩手県花巻市大谷地615
☏ 0198-22-3998
三尺盤(90cm×90cm)18,000円

二尺盤(60cm×60cm)15,000円

パックの数は赤緑各12個。

雫石の相沢木工所さんで作られている投球盤

岩手県岩手郡雫石町上町東6
☏ 0196-92-3326
70cm×70cm  34,000円

パックの数は赤緑各11個。



日本の3団体のカロム盤

 

日本で作られているカロム盤も各種ありますが、「日本カロム協会」「CFCカロムファンクラブ」「みんなともだちカロム」

の3団体のロゴマーク入りカロム盤が主流です。

 

彦根市では明治末期からカロムが広まり、1998年(平成10年)11月29日に彦根青年会議所が「日本カロム協会」を設立し、以降カロムの定例会や年1回のカロム日本選手権大会を開催しています。
同時に日本カロム協会のロゴマークも作られ、彦根のカロム盤(彦根の奥居仏具店・OLD & NEW製造)にはそのマークデザインがプリントされています。

天板はシナ合板、フレームはゴム集成材、パックやジャック、ストライカーには樫が使用されています。

 

CFCカロムファンクラブは、2006年(平成18年)にカロムの全国普及を目的として設立された「全国カロム普及振興会」の主要活動として、東京・千葉・埼玉・群馬等でのカロム定例会開催や、北関東エリアの学童等へのカロム盤貸出しを積極的に進めています。
CFCのロゴマーク入りのオリジナルカロム盤(東京の六角堂製作)も作られています。

2011年(平成23年)の東日本大震災の後、いわき市で被災地の子供たちの笑顔と地域の木工産業の振興を目的に「みんなともだちカロム」という任意団体が設立され、日本各地にも支部展開(10ヵ所程度)も行い、毎年9月には、C1カロムグランプリという全国大会を開催しています。

絵本作家の村上康成さんによる福島に生息する鳥のキビタキとオオルリのイラストとロゴが入ったオリジナルカロム盤も作られています。